昨日、丸与の店と八代目丸与が取材された『きょうの料理スペシャルケンタロウのメシタビin大阪 2泊3日全食お好み焼き』が放送されました。削り節のうまみたっぷりのダシでお好み焼きも作らせていただきました。 NHKは次の連続テレビ小説“てっぱん”で大阪のお好み焼きの話をするそうで、鰹節屋も重要な役割します。その関係で私にこのような取材の申し入れがあったようです。

やはり全国ネットの放送はすごいですね。午前中の放送の時間は私は外回りの仕事中で放送終了してから帰社しましたので放送内容も知らずに帰りましたが、すでに全国から何件かの問い合わせや取引会社などから電話やFAXが届いておりました。

収録は約2ヶ月前、6月に行われましたがNHKサイドから番組内容は放送終了後にアップするように言われてました。
放送内容は料理研究家のケンタロウさんが2泊3日で大阪に訪れ、全食お好み焼きで旅をします。
老舗のお好み焼き屋さん・ネギ生産農家・鰹節屋・お好み焼きソース製造などのこだわりのお好み焼きを食べながらケンタロウさんオリジナルのお好み焼きも紹介するという番組です。
ケンタロウさんは丸与の卸売り店舗のある大阪市中央卸売市場 本場に訪れてくれました。
本節厚削りの製造風景
ボイラーと倉庫
鰹節は柔らかくなるまで熱を加え、その後冷まして削ります。
ケンタロウさん削りたての花かつおを試食
花かつおの破砕作業
丸与はお好み焼きには欠かせない鰹節(トッピング・生地を溶くダシ)についてのことを中心にお話させていただきました。

途中で親父にも話しかけていただき、丸与の歴史は240年以上あり、私が八代目であること等を話しました。

その後、お好み焼きの生地を溶くダシはどのような削り節を使用するか質問され、目近・サバ・ウルメなどを混ぜて作ると言いましたら私がお好み焼きを作ることになり、大阪市中央区の空堀商店街の丸与の店舗に移動いたしました。


まず、昆布と削り節(目近・さば・うるめ)でダシを取り、冷ませておきます。
アクを取りながらしばらく炊いてキッチンペーパーで濾します。
ケンタロウさんにはうまみたっぷりのダシを試飲していただきました。
飲み終わった後にまで残るうま味を絶賛していただきました。
冷ましたダシで生地を溶きます
今回はキャベツではなく、旨みたっぷりのダシとの相性抜群の玉ねぎでお好み焼き!
岡田家では今回のように玉ねぎだけのお好み焼きもしますが、玉ねぎとキャベツとを混ぜたお好み焼きもよく作ります。
私は海産物好きなので今回の具はイカとエビですが季節によって牡蠣などもよく入れます。
今日始めて会ったケンタロウさんですが、昔からの友達のようにアホなことを話ながら撮影が進みます。
だから、放送ではほとんどカット。(放送できる部分があってよかった)
良かれと思いケンタロウさんにもお好み焼き作りの醍醐味である"ひっくり返し”をしていただきましたが、放送を見ていた知人に「料理研究家の先生に何をさせてんねん!」と言われてしまいました。…ごもっとも。
ソースとマヨネーズ・青のりをかけて…
最後に先ほどの中央市場での削りたての花かつおをかけて出来上がり!
ケンタロウさんに『おいひぃ~!』と言ってもらえました。
※”おいひぃ~”とは熱い物を口に入れたときに“おいしい”と言った言葉です。
私は時々家庭でも料理を作りますが、自分が作った料理が人に「美味しい!」言ってもらえた時は脳内麻薬がドバドバーと出て来るのを感じて最高に幸せになります。 これと同じ感覚はお客様に鰹節を買っていただいて美味しかったと言われた時も同じ感覚になります。
最後に鰹節・削り節で ゛ダシ” を取ることは、先ほど見ていただいた通りに非常に簡単であり、生の魚から節(ふし)に加工される間に“うまみ”が凝縮されていて、削り節をお湯に入れると短時間で本格的な“うまみ”がある゛ダシ”がとれるのでご家庭でも是非試していただきたいと視聴者の方にお願いいたしました。
この放送を見て初めて知りましたが、ケンタロウさんは他の場所ではオリジナルのお好み焼きを作り、みんなで食べていたりしていました。 うちでも何か作って欲しかったなァ~ ちょっと損した気分。
今回お世話になったケンタロウさんやロケ班の大阪NHKの方々、東京NHKの海藤ディレクターに楽しい時間と良い思い出ができたことに感謝いたします。
追加情報
後日NHKの担当ディレクターさんから連絡があり、この番組が好評だったので再放送が決定したそうです。
放送日は9月20日(祝)午前10時、NHK教育で全国放送されるそうです。お見逃しされた方は是非ご覧下さい。