今日は芦屋市立精道小学校へ食育授業へ出かけましたが、今回は小学生対象の授業ではなく、PTAのお母さん方約50名を対象に授業を行いました。
カリキュラムは小学生対象にした授業と基本的に同じですが、お母さん方対象ということで、少し料理の内容を変更して行いました。
最初に栄養教諭の奥先生より京料理 たか木 の高木一雄氏と私達の紹介があり、日本料理の基本である「うまみ」を支えている昆布と鰹節の出汁の説明を高木氏と私がいたしました。
内容は鰹節は古来より日本人が工夫してきた製造方法により時間をかけてタンパク質をアミノ酸(うまみ)たっぷりの食材に仕上げていることや、短時間で一流料亭と同じ出汁が取れること。化学調味料(うまみ調味料)の怖さなども少しお話させていただきました。
また、日本料理を世界遺産へ登録に向けて進んでいるが、簡単に短時間で出来るのに日本人が昆布と鰹節で出汁を取る方法も知らないことも問題であることや、子供達に日本の文化として日本料理を伝えていただきたいとお願いいたしました。
続いて昆布出汁(グルタミン酸)と鰹だし(イノシン酸)の相乗効果を体験していただくために、まず昆布出汁だけを試飲していただき、そこに鰹節(今回は高木氏がお店で使用している鮪節)を加えてどのように味が変わるかを体験していただきました。
本当ならこの味を感じていただいてから鰹節とうまみについての話をした方が説得力があるんですけど、いつも時間配分の調整がつかずにあべこべになってしまいます。
その後各テーブルでも昆布と花かつお(本節)で出汁をとり、素麺つゆを作りました。
今回使用した花かつおは丸与の本花、素麺は私の従兄弟が小豆島で製造している島の光です。
皆さんが素麺を茹でたり、かき揚げの支度をしている時間に私は後方で鰹節の削り方をレクチャーいたしました。
たくさんのお母さん方に興味を持っていただき、また、削りたての花かつおの香りと味を知っていただきました。
素麺も流れるようにプロの技で盛り付けす。
小学生向けの授業と同じように、宿題としてご家庭でも復習していただくために、昆布と花かつおを持ち帰っていただきました。
お手伝いいただいたPTAの方たちと記念撮影。
奥先生より一緒に給食を食べて帰るようにお誘いをいただき、お言葉に甘えて高木氏も一緒に子供達と同じ給食をいただきましたが、私が小学生の時の給食と違いとても美味しいものでした。
栄養教諭である奥先生の日頃の努力と生徒達を思いやる気持ちが、この美味しい給食になっているのだと給食をたべながらのお話の中で感じとれました。
小学生や中学生への食育授業も大切な活動ですが、今日のように毎日子供達に料理を作っているお母さん方へ直接日本料理の基本である昆布や鰹節の本当の“うまみ”を知ってもらうことは有意義な活動だと感じました。
聞くところによりますと、この企画の応募者は定員50人のところに100人以上あったそうで、参加された方は厳選な抽選により選ばれたお母さん方だったそうです。
この食育授業を企画していただいた奥先生・PTAのスタッフの皆さんに感謝感謝です。
この夏は7月28日には“浪速魚菜の会”で 料理人さん達に鰹節やその他の節の説明やそれぞれの削り節の出汁の勉強会。8月2日には大阪府教育センターからの依頼で小・中・高校生の家庭科の先生方に鰹節の食育授業。8月3,4日は豊中まつりで鰹節の宣伝販売や手削り体験。8月25日には大阪市の今昔館で鰹節削りの指導などイベントが盛りだくさんでいろんな意味でいつもより暑い夏になりそうです。