かつおぶしだしができるまで…カツオの選別から完成までを詳しく解説

かつおぶしだしができるまで

普段私たちも食べることの多い「かつおぶし」。
食材の風味づけや、そのまま食べられることもあります。

材料が魚のかつおから作られていることは多くの方が知っている知識ですが、そこから私たちの知るかつおぶしになるまでの、工程や方法について知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。

今回はそんなかつおぶしができるまでの工程についてお話しさせていただきます。

1.かつおぶしだしができるまで-カツオの選別

かつおぶしの材料はかつお。ここまでは誰しもが知っている知識です。そのかつおが水揚げされ、かつおぶしに適切なかつおかどうかを選別していきます。選別方法は、鮮度、大きさ、脂肪のつき具合で判別していきます。

鮮度の判別基準は、新鮮な方がいいと思っている方も多いですが、そういうわけでもなく、鮮度が良すぎると、かつおぶしになった際に「身割れ」を起こしてしまします。逆に鮮度が悪いと繊維が伸びきってしまっていて身に締まりがなくなってしまします。このようにかつおぶしに適しているかつおの鮮度を判別するのが一番難しく、熟練の漁師でなければ判断するのは大変な作業になります。

次に大きさです。大きさは40~65cm程度のかつおが使用され、重量では3kg以上ものは「本節」になり、3kg以下のものは「亀節」になります。脂肪のつき具合では1~2%の脂肪率がかつおぶしに使用するには良いとされています。

また、選別が終わったかつおは鮮度を保つために冷凍され、その後解凍されて生切りの工程に入っていきます。解凍方法にも特徴があり、一度に完全に解凍をするのではなく、冬場では3回、夏場では2回に分けて解凍していきます。一気に解凍してしまうと身に穴が開いてしまうことがあるからです。解凍が一日がかりの大変な作業になるのも、かつおぶし製作の特徴です。

2.かつおぶしだしができるまで-生切りから骨抜きまで

解凍が終わったら、生切りに入ります。生切りとは、各臓器や頭を切り落として、かつおぶしの原型を作る作業になります。大型のかつおではさらに「身割り」という工程が入ります。

生切りはまず頭落としを行い、臓器を取り出して脂の多い腹肉の一部を取り除きます。その次に魚の三枚おろしのように左右に切り分けて中の骨の部分を取り除きます。大型のかつおの場合ここからさらに、身割りをして腹部と背部に切り分けていきます。この切り分けたかつおの腹部からできたかつおぶしを「雌節」と呼び、背部からできたものを「雄節」と呼びます。

生切りを終えたかつおは「煮塾(しゃじゅく)」という工程に入ります。煮塾とは字の通りかつおを80℃前後のお湯で煮ていく作業になります。それが終わったら「放冷」といって、風通しのいい場所に移して冷却していきます。こうしてできたものが「なまり節」になります。このなまり節から骨を抜く作業が骨抜きです。骨抜きは、人が実際に毛抜きを使って抜いてくとても大変な作業です。

3.かつおぶしだしができるまで-焙乾からカビ付けまで

骨抜きが完了したら焙乾(ばいかん)です。焙乾はかつおを燻して乾かすことをいいます。骨抜きを終えたかつおには、約70%の水分が含まれています。水分が多量にあると、腐りの原因になってしまうので、これを燻して乾燥させていきます。この作業を何度も繰り返して蒸発させます。水分が飛び、乾燥したかつおの形を整えます。

形を整えたかつおはここからカビ付けの工程に入ります。まずは整形し終わったかつおを外に2日間置いて、日当てします。当て終わったら、樽にしっかりと蓋をしてカビ室という部屋に入れ半月ほど待ちます。このカビ室は湿度が高く設定されており、約85%の湿度になっています。半月ほど経過したら取り出して、カビが付着しているか確認します。最初についていたカビが「一番カビ」というものになり、それを外に置いて乾燥させ、またカビ室に戻します。同じ工程を繰り返し2回目にできたカビを「二番カビ」、3回目のものを「三番カビ」と言います。付着したカビをブラシで落としてカビ付けは完成になります。

4.かつおぶしだしができるまで-天日干しから完成まで

カビ付けが終わったら外に天日干しにします。この段階まで来ると普段私たちが目にしているかつおぶしとほとんど同じものになります。カビ付けを施したことにより、水分を吸収して湿度も良い状態に維持してくれます。天日干しが完成した時点で、かつおぶしの出来上がりです。これを専用の機械や道具で薄く摩り下ろしたものが、私たちが普段口にしているかつおぶしです。

まとめ

今回はかつおぶしの水揚げから完成までの工程や、その理由についてお話ししました。普段何気なく口にしているかつおぶしも、完成までにここまでの作業を要しています。かつおぶしを食べるときにふと思い出していただけたら、いつもより美味しくいただけるかもしれません。

また、かつおぶしにも産地や細かな製造方法の違いで風味や食感が変わってきあます。「美味しいかつおぶしを食べたい」「量販店ではなくかつおぶし専門のお店で買いたい」という方はぜひ、かつおぶし丸与をご利用ください。インターネットでのお問い合わせも受け付けていますのでご不明な点などありましたら、ご連絡ください。